日本の「再エネ推進」に潜む3つの罠:大企業の撤退と自然破壊の知られざる真相 | あっきー。のブログ『世界の見方』

日本の「再エネ推進」に潜む3つの罠:大企業の撤退と自然破壊の知られざる真相

時事

再生可能エネルギー(再エネ)は、持続可能な未来を築くためのクリーンなエネルギー源として、一般的にポジティブなイメージを持たれています。

しかしその裏側では、経済合理性や環境保護の観点から、深刻な問題が次々と噴出しているのが現実です。

例えば、国内初の大規模プロジェクトを「総取り」した三菱商事が巨大な洋上風力発電事業から撤退するというニュース。

あるいは、日本最大の湿原である釧路湿原のすぐそばで、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設計画に地域から反対の声が上がっているという事態。

これらは、再エネ推進の理想と現実の間に横たわる溝を象徴しています。

この記事では、日本の再エネ推進の裏で起きている「意外な落とし穴」を、3つのポイントに絞って分かりやすく解説します。

再エネ推進の意外な落とし穴

 1. 国策プロジェクトのはずが…大企業も匙を投げる「儲からない現実」

国内初となる大規模洋上風力発電の公募を全て落札し、「総取り」した三菱商事が、最終的に事業からの撤退を発表したニュースは大きな衝撃を与えました。

この撤退の背景には、事業の採算性に対する深刻な懸念があります。

実は、落札した当初から、この事業が本当に利益を確保できるのか疑問視する声は上がっていました。

この一件は、国策として推進されるプロジェクトでさえ事業採算性の壁を越えられないという厳しい現実を市場に突きつけました。

結果として、経済産業省が最も恐れる「日本の再エネ政策そのものへの信頼失墜」という事態を招きかねない、根深い構造問題が露呈した形です。

さらに、撤退の背後には、筆頭株主である著名投資家ウォーレン・バフェット氏の存在が、長期的な収益性を厳しく問うプレッシャーとなった可能性も指摘されています。

これは、短期的な政策インセンティブだけでは、世界的な投資基準を満たす事業モデルの構築がいかに困難であるかを示唆しています。

2. 環境に優しいはずが…国立公園の隣で進む「制度の抜け穴」開発

そして、大規模プロジェクトが経済合理性の壁にぶつかる一方で、小〜中規模の開発現場では、制度の歪みがより直接的な形で自然環境を脅かしています。

その典型例が、北海道の釧路湿原で進むメガソーラーの建設計画です。

釧路湿原は日本最大の湿原であり、国立公園にも指定されている動植物の宝庫です。

問題となっている計画は、その国立公園の「すぐ外側」にある民有地で進められています。

法律による保護対象外という「制度のすき間」を巧みに利用した形です。

さらに、事業者が環境影響評価(アセスメント)の対象となることを避けるため、意図的に出力を40メガワット未満に抑えて計画を分割しているのではないか、という疑いも指摘されています。

このような状況に対し、釧路市長は「ノーモア・メガソーラー宣言」を掲げ、市が独自の条例で規制を強化する動きを見せています。

同様の問題は静岡県伊東市でも起きており、伊豆高原のメガソーラー計画に対して、観光や温泉といった地域経済への悪影響や、土砂災害のリスクといった懸念から、地域住民や市議会が強く反対しています。

3. 「普及」を急ぎすぎた?善意の制度が生んだ想定外の副作用

 なぜ、このような問題が各地で多発するようになったのでしょうか?

その根本的な原因の一つに、2012年に始まった「固定価格買取制度(FIT)」があります。

この制度は、再エネで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを義務付けるもので、日本の再エネ普及を大きく後押ししたことは間違いありません。

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しかし、その急激な普及を優先するあまり、ずさんな事業計画や自然環境への配慮が不足するケースが各地で問題化するという副作用を生んでしまいました。

こうした事態を受け、国の⽅針も「普及優先」から「適切な管理」へと⼤きく転換しています。

具体的には、事業の事前認定を厳格化した改正FIT法(2017年)や、外国資本による土地取得を監視する重要土地等調査法(2021年)、安全性を確保するための盛土規制法(2022年)といった法整備が進められました。

政府も、普及段階で生まれた歪みを是正しようと動き出しているのです。

まとめ

ここまで、日本の再エネ推進が直面する3つの課題を見てきました。

1. 儲からない大規模プロジェクト:国策であっても採算が合わず、大企業が撤退する現実。
2. 環境を脅かす抜け穴開発:制度のすき間を突いて、保護されるべき自然のすぐそばで開発が進む問題。
3. 普及優先が生んだ副作用:善意の制度が、ずさんな計画や環境破壊を誘発してしまった皮肉。

結局のところ、これら3つの「罠」は、エネルギー転換という壮大な目標を掲げた「マクロな政策」と、事業採算性や地域環境という「ミクロな現場」との間に生じた深刻な乖離を浮き彫りにしています。

持続可能な未来を目指す中で、私たちは壮大な目標と現場の現実をいかにして両立させていくべきでしょうか?

善意の政策が新たな問題を引き起こさないために、今、何が必要とされているのでしょうか?

この問題について、あなたの率直な意見や感想を聞かせて下さい。

ではまた。

 

 

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